慶応大学病院で新型出生前診断(NIPT)を受けた

妊娠16週目に入りました。KLC卒業後も何度かエコー検査をしましたが「卵巣のう腫が見られるけどまぁ大丈夫でしょう~」と言われた以外は特に異常はないようです(その後縮小しました)。

 

さて、ここ1ヶ月ほど、ドタバタしていました。それはタイトル通り、新型出生前診断、通称NIPTを受けていたからです。

 

※ 今回の記事では倫理的なことは一切書かず、実際に自分が経験したこと、知ったことのみを書きます。また、私は専門化ではありませんので全てが正しい情報とは限りません。必ず医師の判断に従ってください。また、この情報は2016年当時の物です!

 

 

新型出生前診断(NIPT)とは

 

簡単に言ってしまえば妊娠中にダウン症かどうか調べる検査です(厳密に言うと他2つの染色体異常も調べますが、陽性判定の内ほとんどがダウン症である21番トリソミー)。妊娠中に行う検査としては他に羊水検査やクアトロテスト(母体血清マーカー検査)、絨毛検査、胎児ドックなどがあります。それぞれにメリット、デメリットがありますが、とりあえず置いておいて、NIPTについてわかったことを箇条書きします。なお、検査機関については都内だけになります。

 

  • 検査可能週数は妊娠10週~
  • 検査費用はだいたいどこも20万円前後
  • 東京都内では約13の病院が実施している(ほとんどが大学病院)
  • 患者が直接検査の予約をすることはできず、かかりつけの産科から予約してもらう(例外あり)
  • タイミングによっては(希望者が多い場合など)予約がとれないこともある
  • 最初に遺伝カウンセリングを”夫婦で”受ける
  • 検査は採血だけ
  • アメリカに送って検査するので結果が出るまでは2週間かかる
  • 35歳以上、または超音波検査などで染色体異常の可能性を指摘された人のみ
  • 偽陰性(陰性と出たのに本当は陽性)はほぼない(99.9999%)が、偽陽性(陽性と出たのに本当は陰性)はままあり得る
  • ↑の理由により、NIPTで陽性だった場合は羊水検査を受けることを求められることも多い
  • 年齢が高ければ高いほど(陽性の場合の)検査の精度は上がる
  • 年齢が低ければ低いほど(陽性の場合の)検査の精度は下がる(つまり偽陽性が出やすい)
  • 陰性の場合の検査の精度は年齢に関係なくかなり正確

 

検査を申し込む時期

 

まず、検査を受ける手順ですが、検査を受けたいなら自分で調べて自分から動かなければ誰も教えてくれません。KLCの先生も転院先の先生も「NIPTってのがあるよ」なんて言ってくれません。自分から行動を起こさなければ、知らない間に検査可能週数を過ぎてしまった・・・ということにもなりかねないのです。

 

私が実際に行動を起こし始めたのはKLCを卒業(9週目)してからですが、これは遅いほうだと思います。KLCでは出生前診断についての紹介状などは一切書いてくれないので、最初からNIPTを視野に入れている人は心拍確認あたりからKLCに説明して早めに転院できるようにしてもらっているようです。

 

東邦大大森病院に申し込んでみる

 

「卒業してからでいいか~」とのんびりしていたので焦った私は都内で唯一紹介状なしでNIPTの予約ができる東邦大大森病院のWebサイト(遺伝カウンセリングNIPT受診の流れ)から申し込みました。すぐに連絡が来ましたが、私が受けれる週数までは予約がいっぱいだと言われてしまいました・・・。一応キャンセル待ちはしましたが、焦りに焦った私は他の病院にも電話してみますが、「予約の状況はなんともいえない」のようなあいまいな答えしかもらえませんでした。

 

慶応大学病院は紹介状が必要

 

どの病院も夫婦でカウンセリングを受けなければならない(しかも平日)という条件があったので、夫の職場から近い慶応大学病院に目星をつけて紹介状を書いてくれる病院を探しました。慶応病院に電話してみると「今のところ空いている」とのこと。

 

KLC卒業後の転院先は近所の産婦人科やレディスクリニックだったり大学病院だったり様々だと思いますが、医師によっては「出生前診断なんてもってのほか!!」という考えの人もいます(友人は3軒頼んで全て断られたそうです)。ですので、私は電話で先に「NIPTの紹介状は書いてもらえますか?」と聞きました。

 

幸い最初に電話した病院で紹介状を書いてくれるということだったのでそのまま予約もしてもらいました。

病院から予約してもらうと、15分くらいたってすぐにFAXの返信があり、”○日の○時に来てください”と書いてありました。

※ その後東邦大病院からキャンセルが出たと連絡が来ました。

慶応大学病院臨床遺伝学センターへ

 

夫婦で慶応大病院へ行きます。信濃町駅の目の前にあるのでアクセスは楽でした。臨床遺伝学センターへ行くと、夫婦が数組座って待っています。受付を済ませると、タブレットでNIPTの説明を聞かされました。私はNIPTについてかなり詳しく調べてから言ったのでこのタブレットの動画はとても退屈でしたが、ネットで調べてみるとNIPTについての正しい知識を持った人は案外少ないんだなと感じたのでこのような説明も必要なのでしょう。

NIPTを実際に受けた人のブログもかなり読み漁ったのですが、遺伝カウンセリングでかなりキツイこと(NIPTは殆どの人は受けないよ!検査でわからない障害もあるよ!中期中絶ってどんな風にやるかしってんの!?等・・・)を言われたという人もいてかなり予習していきました。が、担当医はとても穏やかな女性の先生で、NIPTを受ける動機などは一切聞かれず淡々と検査について説明されただけでした。

 

「では、これを持って1階の採血室へ行き採血していってくださいね。」

 

と渡された検査キットがコレ↓

 

 

なんか・・・アメリカのドラッグストアの棚に普通に置かれてそうです。

 

これに採血した血液を入れてアメリカへ送り、アメリカで検査してもらうそうです。医師いわく、NIPTを実施している他の病院のものと比べてもこのnatera社の検査結果はかなり精度が高いとのことです。

 

これでお会計約19万。。。ちなみにアメリカの質問サイトでNIPTのコストを調べてみたら、州や病院によるみたいだけど、安い人は保険が利いて数千円くらいから、高くても5万円くらいでした。。。35歳超えると強制的に受けさせられる欧州某国などもあるようです。

 

検査で何がわかる?

 

これ勘違いしている人多いみたいですが出生前診断の中でNIPTでは3つの遺伝子異常しかわからないんです。その中で特に気になるのが21番トリソミー、いわるゆダウン症候群。でも知らない人は(特に子どものいない若い人?)出生前診断さえすれば知的障害かどうか生まれる前に全部わかる!と思ってるみたいなんですよね。でも、ダウン症なんて生まれて来てからわかる数多くの障害のほんの一部に過ぎません。先天的な子どもの障害を妊娠中から判別する方法なんて今の医学では殆どないのです・・・。妊娠出産ってリスクだらけなんですよね。

検査の精度は?

 

私がカウンセリングで一番しつこく聞いたのはここです。特に偽陰性、偽陽性については納得いくまで質問しました。

まず、上の箇条書きにも書きましたが年齢に関わらずNIPTの陰性判定はかなり信頼できるようです。

そうはいっても結果は100%とは出ず、99.999%のように出ます。偽陽性が出たとしてもその後羊水検査を行うので診断が確定されますが、偽陰性が出た場合『陰性と出たのにダウン症の子が生まれた』という可能性があるということですよね。

「陰性と出ても0.0001%は陽性の可能性はあるんですよね???」ときくと

 

「めーーったに出ませんが、極稀に偽陰性が出ることはあります。日本では過去に1件だけ18トリソミーで偽陰性が報告されていますが、結局後のエコー検査で異常が発見されました。」

 

※そもそも18トリソミーの場合ほとんどがおなかの中で死んでしまい、生まれたとしても1歳まで生きる確立は1割以下です。

ということでした。医者の口ぶりからしても陰性判定に関してはかなりの自信を持っているようでした。

 

対して陽性判定に関しては偽陽性が出ることは珍しくないようです。というのも、NIPTの陽性的中率は年齢によって変わるからです。

例えば、40歳の人と20歳の人の陰性的中率はほぼ同じですが、陽性的中率は40歳の人が90%に対して20歳の人は50%です。「NIPTの検査対象者は基本的に35歳以上に限る」と年齢制限を設けているのも仕方が無いことだったんですね。以上の理由から陽性判定が出たら確実な診断を得るために必ず羊水検査を受けるということにしているようです。

「だったら最初から羊水検査でいいじゃん」と言う人もいるかもしれませんが、羊水検査は以前よりだいぶ安全性が増したとは言え針を刺すので流産の確率はゼロではありませんし、その他の合併症の可能性もあります。また、検査可能な時期が15週以降とNIPTよりも約1ヶ月ほど遅く、検査結果によって中絶を考えた場合、週数的により母体に負担がかかってしまいます。

総合的に判断して、現代の医学で一番最良な検査方法はNIPTだと思います。なんといっても血を抜くだけなので。

 検査結果はいつどうやってわかる?

 

もちろん電話などでは教えてくれません。病院へ行って医師から直接聞く必要があります。ちょうど2週間後。結果は夫婦でいく必要はなく私だけで聞きにいきました。

紙が一枚手渡され3つ全ての項目に陰性確率99.999%(うろ覚え)のように書かれていました。

それでもまだ偽陰性について不安があった私は医師にしつこく聞きましたが「この結果だったら問題ないと考えて大丈夫だと思いますよ。」と言われ、ようやく気持ちがスッキリしました。

 

NIPTを受けた感想

 

実際に予約が取れるまでは毎日不安でたまりませんでした。NIPTが受けれる病院は少ない割りに希望者は多いと聞いていた(それでも日本では全妊婦の数%程度しかいないらしい)ので「もっと早く行動していれば・・・」と後悔の日々でした。

が、東邦大のキャンセル待ちも割りとすぐ回ってきたし、慶応も申し込めばすぐに予約をしてくれたので思ったより予約は取りやすいんじゃないかなという印象を受けました。でも、安心せず、希望している人は早め早めに行動することをお奨めします。

特に私の場合は東京都内だったので病院が多いほうでしたが、地域によっては1つしかないところもあります。妊娠判定で陽性が出たら、「胎嚢確認できたら・・・」「心拍確認できたら・・・」と待たずに、まず検査を実施している病院に電話して確認したほうが良いです。病院の総合案内で「NIPTについて聞きたいのですが」と言えば必ず通じますよ。

※ 追記:2018年5月現在、規制が緩和され、NIPTはもっと受けやすくなったみたいです。
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