【KLC1周期目】32, KLCへ転院 予約~初診の日 D13

初の体外&顕微受精を行って陰性判定を得てから3ヵ月ほど経ちました。

 

転院を決めてからどこの病院にするか迷いに迷いましたが、結局 加藤レディースクリニック(通称KLC)に決めました。

 

加藤レディスクリニック(KLC)とは

 

不妊治療に興味がある人または不妊治療をしている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。新宿にある有名な不妊治療専門の病院です。

 

他のクリニックで出来なかった人が最後の砦として訪れる病院・・・らしいです。

 

私がKLCに転院を決めた理由は・・・

 

  1. 薬を使わない自然周期採卵
  2. 年中無休
  3. 男性の受診は予約不要(内容による)
  4. 採卵はモニターで確認できる
  5. 子連れOK

 

このあたりでしょうか。

 

自然周期採卵とは

 

ホルモン補充剤などを使わず(卵巣を刺激せずに)に自然にできた卵を採卵し、体外or顕微で受精させ、できた卵をこれまた薬を使わずに移植する・・・という方法です。

 

この自然周期採卵という治療方針についてはかなり迷いました。正直、自然周期が良いのか卵巣刺激が良いのかは(特別な理由がない限り)もうその人の体質次第なんじゃないかと思います。前回の卵巣刺激採卵では7個の卵が採れましたが、そのうち最後まで残ったのはたったの1個・・・。刺激が私の体質に合っていなかったかどうかはもはや誰にもわかりませんが、なんとなく自然周期の方が合っているんじゃないか?と思ったのです。

 

前の病院での卵巣刺激の際、連続自己注射などかなーり大変な思いをしたので、もう一度アレが出来るかといわれると少々自信がなかったのも理由のひとつです。

 

自然周期採卵のメリット

 

  1. 薬をほとんど使わないので体への負担がほとんどない
  2. 一回で妊娠すれば卵巣刺激採卵よりも安くすむ
  3. 頻繁に通院する必要がないので忙しい人でも治療しやすい

 

身体への負担が少ない

 

最大のメリットはなんといっても1の『体への負担がほとんどない』ということです。卵巣刺激は毎日3回の飲み薬と3日毎くらいの注射をするのでOHSS(卵巣過剰刺激症候群、過剰な刺激によって卵巣が腫れ上がり吐き気や発熱が起きたりする)になる可能性が少なくありません。自然周期採卵は通常のタイミング法と変わらないので特に何もせず、自然に卵を育ててその育った卵を採る、という方法になります。

 

KLCではこの自然周期採卵にかなりの自信を持っているようで、待ち時間に院内で読んだ加藤先生の本(KLCに行くともらえる)やKLCの治療方針を紹介するタッチパネルで繰り返し強調していました。

 

加藤先生の本には・・・

 

『採卵前にhCGの注射(排卵誘発剤)を使うとhCGは体内に長く残るので体が「妊娠した」と勘違いしてしまい受精卵が着床しづらくなる』

 

『hMG注射(排卵誘発剤)を多く使うと古い卵胞が先に成長して排卵し、良質な卵胞は残ってしまう。良質な卵子がとれない。』

 

『初めて治療する40歳よりもhMGを大量投与された35歳のほうが妊娠しづらい』

 

と書かれています。ほ、本当かな・・・。

でも確かに、hCG注射後に妊娠検査薬を試すと反応が出るくらいだから、体がそう勘違いするっていうのは当たっているのかも。もしや私の幻の陽性反応もこれだったのかな・・・?でも素人の私が言うのもなんですが、確実ではないと思います。

 

 

一回で妊娠すれば卵巣刺激採卵よりも安くすむ

 

上記のようにhCG注射やhMG注射などを使わない、つまり誘発分のお金がかからないので安くすみます。特に1回で妊娠すればお得です。1回で妊娠すれば・・・ね・・・。

 

頻繁に通院する必要がない

 

卵巣刺激をする場合は排卵日をキッチリ管理するために、2週間くらい前から頻繁に来院して血液検査の数値とエコーでの内診とを何度も行うので仕事をしている人はかなーり厳しいと思います。

しかし、KLCでは基本的に自然の流れに任せるのでいちいちクリニックへ行ったりする必要がありません。

※ 診察の結果によっては少量の誘発剤を使うクロミフェン法を用いる場合もあるとのことです。

 

自然周期採卵のデメリットは?

 

  1. 誘発剤を使わないので排卵日が特定しづらい
  2. 1度で取れる卵の数が、卵巣刺激採卵(多い人は20個とか!)よりも極端に少ない(1~3個程度)なので1度で妊娠しなかった場合、またすぐに採卵からしなければならず、お金がかかる

 

排卵日が特定しづらい

 

1については毎月きっかりに○日周期で生理が来ている人はそこまで問題じゃないと思うのですが、”27~30日周期”のようにあいまいな人は大変かもしれません。排卵は「神のみぞ知る」ですから・・・。はなおかIVFクリニックでは採卵前は何度もクリニックへ行って血液検査とエコー検査のWコンボで卵の状態などを見ていました。

 

1度に採れる卵の数が少ない

 

これはかなり重要。お金がジャブジャブある人は関係ないと思いますが、私のような一般人には体外受精のお金は高額すぎます。卵巣を刺激しないので、1回で採れる卵の数はせいぜい1~2個程度。1~2回の移植で妊娠すればよいですが、もしダメだった場合、また採卵からやり直すことになります。もし、卵巣刺激で10個くらい受精卵を凍結できたとしたら、10回移植のチャンスがあるということですから、同じ10回の移植でも自然周期の場合はその内8~10回くらいは採卵をするでしょうから、トータルで考えたら卵巣刺激の方が全然安く済みます。

 

どちらの方法が良いか・・・こればかりは、その人の体質というか、運次第だと思われます。

 

KLC初診予約はどうやってとる?

 

Webの初診予約カレンダーから予約することができます。土日はほぼ開いていないので初診は平日に行くことになると思います。私も平日しか予約がとれず、子どもが幼稚園に行っている間に一人で行ってきました。

 

予約が完了するとメールが送られてきて、事前にWeb問診表などの入力が出来ます。待ち時間がちょっと短くなるようです。

 

このWeb問診表では今までの検査&治療履歴についての項目がありますが、転院した身としては、なるべくなら今までの検査結果を使いたいです。検査費用も馬鹿にならないので・・・。

 

その中でわからない、または忘れたという項目が・・・

 

  • 「クラミジアの検査を受けたことがありますか」
  • 「風疹について、過去に感染の既往はありますか」
  • 「風疹ワクチン接種既往はありますか」

 

の3つ。前の病院の検査結果を見てもクラミジアと書いてあるものはありません。梅毒の検査はしたっぽいのですが・・・。とりあえずクラミジアは飛ばします。

次の「風疹の感染歴」については・・・幼稚園くらいのとき風疹にかかった思い出があります。だから一応イエスなのかな~。

「風疹ワクチンの接種」については1人目を妊娠中に接種した気が?でも覚えていません。

 

と、その時思い出しました。「そういえば、母子手帳に書いてあるかも!」

 

確認してみると・・・

 

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バッチリ書いてありました。ネットで調べてみましたが風疹抗体64倍は「16倍以下だと抗体はない」とみなされるようなので、一応基準値をクリアしているっぽいです(風疹ワクチンの接種は1回だけじゃだめなんですよね、確か)

 

クラミジアの検査結果も陰性。

 

これでWeb問診表の項目はすべて記入することができました。

 

また、初診の日はどうせならヒューナーもやってもらえるという排卵予定日前日くらいに予約をとりました。前日にタイミングをとりました。

 

KLC初診の日

 

西新宿の駅からすぐのビルの中4階~11階にKLCが入っています。初診は10階に行きます。入ってすぐ右に受付っぽいところがあるのですがこれは採血カウンター?でした。まっすぐ奥に進むと受付があります。保険証と顔写真付身分証(私は免許証にしました)と今までの検査結果などを提出しました。クリアファイルに入った「初診の流れ」を渡されて説明を受けます。ものすごく効率化されている、と事前にネットの情報で知ってはいたのですが確かに工場の作業のようにマニュアル化されているようでした。

 

とはいえ前の病院も1人目のときに通った病院も初診からものすごい待たされたし、今回はなんといっても超有名クリニックなので4~5時間は待たされるんじゃないかと覚悟して子どもの延長保育もお願いして小説もスタンバイしていきました。

 

あ、それともう1つ大切なもの。加藤院長先生の執筆された本を渡されます。「差し上げます」と言われましたが、まぁ本代はもちろん診察代に含まれていることでしょう(笑)

 

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体外経験者ですでに知識はあったので、小説を読むつもりでしたが、結構まじまじと読んでしまいました。生殖医療についてかなり詳しく書かれていて、KLC独自の方法(KLCメソッドというらしい)について力説されています。特に自然周期排卵についての項目はかなり独自の理論を持たれているようでした。

 

尿検査用に採尿&血圧を計測した後、かなりの待ち時間を覚悟していましたが、15分くらいで「○○さん、○番診察室へどうぞ」と割とすぐに呼ばれました。

 

診察は院長の加藤先生。物腰柔らかい感じの口調で今までの治療履歴について聞かれました。精液検査の結果男性不妊と診断されたこと、前回の体外では 7個採卵の内 顕微2 体外5 で7分割の胚が1個(体外の内の1つ)残ったのみだったことを伝えると「精子というよりは卵子の力が弱いイメージだけどなぁ」と言われました(!)。とりあえず診察してみよう、ということで一度外へ。5分後くらいにすぐ呼ばれて今度はエコー検査です。「まだ排卵していないかな?おそらくあと1~2日の内に排卵すると思う」とのこと。

 

看護師さんとの問診

 

その後別室で看護師さんの問診があります。看護師さんはかなりやさしい人で「わからないことは何でも聞いてくださいね^^」とやさし~く言われました。前の病院の検査結果について色々と聞かれました。

「クラミジアと風疹抗体検査の結果が見当たらなかったのですが・・・」

「あ、それはこちらの母子手帳に書いてあります」

「あー・・・すみません、手書きは受け付けられませんので、こちらで検査させてもらいますね」

あらら・・・。手書きだめなのか>< おそらく、ちゃんと印刷された検査結果表もあったと思うのですがすでに紛失。風疹抗体のほうは手書きでも大丈夫でした。

 

また、夫の精液検査&精子凍結について

 

「男性は予約なしでいつでも来ていただけるので早めにお願いしますね」

「でも土日は混みますよね?人数の上限とかないんですか?」

「時間内に来ていただければ全員受け付けします(きっぱり)。当院では来ていただいた患者さんは必ず受けるようにしているので、年中無休でやっています。」

 

おぉ・・・来る者拒まずという姿勢を感じました。

 

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※ クリニックを選ぶ上で”男性は予約不要”かどうかは我が家にとってはかなり重要なポイントです。夫はかなりの激務なので・・・平日は絶対に通院できないし、土日も急に仕事が入ったりします。1人目に通った病院でも男性は予約不要でしたが、一つ前の病院では男性も予約が必要だったのでスケジュール調整にかなり苦労しました。また、採卵日に精子を用意できない可能性も考え、今回は凍結精子を使うことにしました。

 

その後、血液検査です。先ほど受け付けと間違えそうになった採血カウンターに行き、採血をしてもらいます。検査結果が出るまでは1時間ほどかかるので11階のストークラウンジなる場所で待っていてくれと言われました。

 

エレベーターで11階へ移動します。

 

ストークラウンジはかなりおすすめ

 

このストークラウンジは左半分が飲食などができる待合室になっており、右半分はネットカフェのようにPCブースが何台か置いてある、という場所です。このPCブースではタッチパネルで動画を見たりしますが、この動画がかなりわかりやすかったです。

卵胞がどうやって育ってどうやって排卵しどのように受精するか、って絵や口頭で説明されるだけじゃやっぱりわかりづらいんです。ここでは動画でかなり詳しく説明していたのですんなり理解できました。

 

ストークラウンジまだ治療をしていない人(カップル)でも利用することができるので、体外受精の”た”の字もわからない人、今のところ体外は考えてないけど不妊治療を始めようか迷っている人、なんかは是非足を運んでみることをオススメします。いきなり11階に行ってみる、で大丈夫だと思います(11階の入り口に専用の受付があります)。

 

ストークラウンジで待っている間でも順番になると番号で呼ばれるので安心して待つことができます。結局40分くらいで呼ばれました。

 

再度診察室で院長先生の診察&治療方針決まる

 

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検査結果で出た数値の割りに卵胞の育ちが良くない、と言われました(泣)D13でE2(卵胞ホルモンの1つ)もLH(黄体形成ホルモン)も正常値だと思いますが、卵胞が小さいのでしょうね・・・。

 

以下、院長先生との会話。

 

「じゃあ、今度は生理3日目(D3)に来てください。そこからクロミフェン(排卵誘発剤)を飲んでいって採卵しましょう」

「クロミフェンを使うということは、完全な自然状態ではできないくらい育ちが悪いということでしょうか・・・?」

「そうだね~、育ちがあまりよくないし、高齢だからね、念のため少し薬を使ったほうが良いと思う」

 

え・・・36歳・・・高齢なのか・・・・ショボーン。。

 

前の病院で 「36歳は体外受精する中では若い方だよ~」って言われて安心してましたが・・・普通に考えてみればマルコウですよね・・・(汗)

 

「子宮頸がんの検査、近々する予定ある?」

「あ、ちょうど区の婦人科検診の無料券が送られてきました。」

「じゃあ早めに受けてね~」

 

なるべく無駄な検査をしないようにしてくれている感じがしました(いちいち検査してる時間がないだけ?)。

 

今回はタイミングを取って、次回の生理が来たら3日目に来院するということになりました。予定通りにいけば、その周期に採卵&移植をするそうです。

 

「あ、そういえば一応昨日の夜タイミングとったんですけど、ヒューナーは・・・」

「あぁ、この精液検査の結果じゃヒューナーやっても意味ないからやらなかったよ」

 

妊活ライフ

その後2回ほど基礎体温と排卵検査薬と超音波検査を併用しながらタイミングをとってみますが妊娠には至りませんでした。 そこで…

 

ぇ、そうなんだ。まぁヒューナーやったら別料金かかるからやらなくてよかったんですけどね(笑)

 

初診の会計総額

 

保険適用分

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自費診療分

 

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合計・・・15,820円

 

この金額を見て「高!!」と思った人あなたは体外受精未経験者ですね?^^;

 

夫の精液検査などの分が一切含まれていないので安めです。夫婦で受診すると倍くらいになるのではないでしょうか。

 

ちなみに、去年からクレジットカード&銀行カード引き落としが使えるようになったらしいので支払いはクレカでしました。
(なぜか、体外受精を行う歳に使う消耗品代約4万円だけは現金のみらしいです。)

 

KLC初診日まとめ

 

「流れ作業って感じが嫌」「医師の対応がぶっきらぼう」「受付の態度が悪い」などという噂を事前に聞いていたのですが、私はむしろその「流れ作業」が良かったです。過去通院した2つのクリニックもマニュアル化した流れがありましたが、KLCほどではないので余計な待ち時間があったり、今日は何の検査をするのかどこで待っていれば良いのか、わかりづらかったことが多々ありました。

 

今日は何をするのか、何の検査をするのか、忙しい中で短くてもちゃんと説明があったのが良かったです。

 

また、おそらくですが、このような「流れ作業のシステム」があるからこそ、毎月初診の患者を多く受け入れられるのだと思います。クリニックによっては初診予約は半年後・・・なんてところもありますから。

 

「医師の対応」「受付の態度」については人それぞれの感じ方もあるのでしょう。不妊治療に限らず、医療行為は普通の客商売ではないのでどうしても態度が悪くなってしまうスタッフさんがいるのは仕方が無いことだと思います。まだ初診だけなので見えていないだけなのかもしれませんが、少なくとも院長先生も看護師さんも受付の方も嫌な印象は全く持ちませんでした。

 

今回のタイミングで妊娠すれば一番良いのですが、この次リセットしたらすぐ生理3日目の予約をとります。